瓦の漆喰とは?──屋根を守る伝統素材の意外と重要な役割
瓦の漆喰ってどんなもの?
瓦屋根といえば和風や日本家屋の象徴だ。瓦そのものは非常に耐久性が高く、水を通しにくい素材だけど、**瓦と瓦の間や役物と瓦の接合部の“すき間”を埋めて止めているのが「漆喰(しっくい)」**なんだ。
湿気や風雨、地震などで瓦がずれたり動いたりするのを防ぐための下地的な存在として、瓦の頂部や端部に塗られている。見た目は白くて柔らかそうだけど、屋根の寿命を左右する実はとても大事な素材なんだ。
漆喰の役割と特徴
漆喰の役割は次の3つに集約されるんだ。
瓦の固定と耐風性の確保
風や地震で瓦がズレたり飛んだりするのを防ぎ、屋根構造を安定させる。
水の侵入を防ぐ
瓦のすき間にシーリング作用があり、雨水が屋根下地に浸透するのを防止する。
通気性と調温効果
漆喰は通気性があって湿気を逃がす性質も持っている。瓦下の木下地の劣化予防にも一役買う。
ただし、漆喰自体は時間とともに劣化しやすい。ひびや欠け、ボロボロ剥がれが出たら、瓦は固定されなくなり、防水性も落ちる。だからこそ定期メンテナンスが重要なんだ。
漆喰の施工や補修の流れ
漆喰補修や施工は次のような流れで進むんだ。
1.既存漆喰の劣化状況を確認して、剥落・ひび・崩れ箇所の補修範囲を決める。
2.剥がれやすい古い漆喰を撤去し、瓦のずれがないか調整する。
3.新しい漆喰を練って塗る。伝統的には石灰と海藻糊を使うけど、最近は性能安定のために専用モルタル漆喰も使われる。
4.塗布後は硬化乾燥まで数日かかるので、雨天や寒冷期の施工は控える。
5.補修後は年月ごとの点検記録を残して次のメンテに備える。
漆喰は厚さや勾配への対応、乾燥時間が仕上がりや耐久に影響するから、施工の確かさがそのまま屋根寿命に反映されるんだ。
注意したいポイントと業者選びの目安
漆喰は“伝統的”な工法と思われがちだけど、質と工期、気候を考えて適切な種類を選ばないと逆に剥がれやすくなるんだ。ここで確認しておきたい点をまとめたんだ。
・どんな漆喰材料を使っているか(伝統素材 or モルタル補強タイプ)
・職人が瓦のズレや割れを調整する工程の有無
・施工後の乾燥条件・時期が守られているか(湿気や雨避け)
・アフター点検や補修割れ時の対応保証の有無
業者を選ぶときには、見積もりの段階で「これまでの施工実績」「施工後の剥がれ率」「保証内容」も確認すると安心だ。契約前に写真付きで過去例を見せてもらえば、腕前が推察できる。
どういう場合に補修が必要か?
築10年を過ぎた瓦屋根では、漆喰の白さがくすんで見えたり、瓦のつなぎが崩れて黒く見えてきたりする。ほんの小さなヒビでも、そこから水が侵入して下地が腐るリスクもある。特に、
・棟瓦(屋根の頂部の棟部)や平瓦の端部分
・瓦下地が木造で湿気を吸いやすい構造
・寒冷地や北側など結露が出やすい立地
こんな場所ほど、漆喰の劣化が進みやすいから要チェックなんだ。
まとめ
瓦の漆喰は、屋根の“接着剤”であり“防水と通気の役割”を併せ持つ重要な素材だ。優れた塗装よりも先に、瓦をそこに留めるための土台となる施工なんだ。
定期点検で漆喰の欠けや色の変化を見逃さず、必要に応じて補修・交換しておくことで、瓦そのものの寿命を大きく延ばせる。施工の質や材料、経験ある職人による対応を見ておけば、失敗しない屋根メンテが実現できるんだ。
しっかりした漆喰があるからこそ、瓦屋根は長く美しく、安心して暮らせる屋根になるんだ。

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